国定公園 比婆山(ひばやま)連峰の周回ルート図

昨年、トレイルランニングに挑戦したくなって、タカタッタ、その他ランニング雑誌ぐらいしか情報が得られていない時に、近くには高い山は無いので少し離れた山に行って色々試していた。広島県庄原市にある、『広島県民の森公園センター』の周辺の、『国定公園 比婆山(ひばやま)連峰』に一番通って行った。15回ぐらい通ったと思う。


鳥取県に行けば大山(ダイセン)の弥山(ミセン)1709m、徳島には剣山1955m、愛媛の石鎚山1982m等と色々有るが、また遠いし、一人で行って快適に走り、場合によっては日帰りでという感じなので厳しい感じがする。(大山は行ったが、夏山登山道経由で、直登の針金で岩を縛ったような大きな段段を這い登る感じでランニングとは自分は行かなかった。剣山、石鎚山は、昨年は橋も、高速値下げしてなかったことも有り行ってなかった。)


比婆山の周辺では、一番高くても立烏帽子山(たてえぼしやま。)1299m。一般的なルートとして、山と渓谷社の本『33広島県の山』に載っているルートとしては、

  • 公園センター〜出雲峠〜烏帽子山比婆山(ひばやま、御陵)〜公園センター

⇒約7km

  • 公園センター〜展望園地〜立烏帽子山〜池ノ段〜越原越(おっぱらごえ)〜比婆山(ひばやま、御陵)〜公園センター

⇒約9km


などが有る。何れも登りやすく、ぶなの林がとても心地良いルートではあるが、せっかく山に来たのだから、朝早くから日が傾く前まで存分に山を堪能したいなという自分の希望には、若干合致しない点が有った。



山と渓谷社の本を良く見てみると、

  • P16の牛曳山(うしびきやま)・伊良谷山(いらだにやま)・毛無山のページ
  • P20には、吾妻山(あずまやま)

⇒ よくよく見てみると、これらは全部繋がっている一連の山々なのだった。


後日、広島県民の森のページを見てみると、概略のコースマップと、通常登山のタイムが書かれていた。

http://www.kenmori.jp/


これだけだと、自分には良く分からないので、山と渓谷社の本P15〜P23の図をスキャナーで取り込んで、重ね合わせて、肝心なところのコメントを追加して作成した。


広島県民の森公園センター周辺『国定公園 比婆山(ひばやま)連峰』のマップと、ルート概要。


【参考】


この図と、広島県民の森のページに出ている、『登山ルートのご案内』と『登山コースタイム』を加えたマップのファイルをPDFファイルでアップ出来ないかなぁと試してみたら、さすがに fotolife だから、写真以外のファイルは受け付けなくて駄目だった。


マップなのだから、今頃(2009年5月1日に)作るのではなくて、もう少し早くに作っておけば良かった。

地図的なマップでは無いが、公園センターのフロントに分かりやすい概略図の紙が常備されている。


※A4までしかスキャナー出来ず、はみ出てしまった。。。あしからず。


これらのルートの良いところは、各所に水場、トイレ、エスケープルートが有ること。


牛曳山を登り、伊良谷山〜毛無山〜出雲峠のなだらかなアップダウンを進むと、出雲峠にトイレが有る。水も有るが飲用では無いとは書かれている。予想外に体調が悪い場合は、ここで下れば公園センターまで2.3km・約30分。


普通の時は、烏帽子山に向って、最初、杉林の中を上って行き、しばらくするとブナの林、いずれも直射日光は木々が受け止めてくれるので木漏れ日がとても心地良く、しっとりとした大気の中を登っていく。


烏帽子山に着いて、体調良く、天気も良好な時は、大膳原に向って下っていく。体調・天気が良くない時は、下っていかずに、比婆山(ひばやま)・御陵に向って進む。 (あるいは、非常に悪い場合は、出雲峠に下って避難小屋に入るか、公園センターまで下るか。 )


下りきって、天候・体調に変化が生じた場合は、大膳原の北(右奥)の方に右に折れるとキャンプ場が有って、トイレ・水場・退避場所が有る。


吾妻山に向って、比較的なだらかなつずら折れを登って行く。吾妻山の山頂に着いて、そこで休んでも良いし、ピストンですぐに下っても良い。私は、いつも一人なので、軽く腹に入れて、再び烏帽子山に向って戻っていく。時間が許せば、池ノ原を経て、吾妻山国民休暇村を経由して戻った方が、池周辺の草花が気持ち良いし、距離を3kmぐらい伸ばせるのだが、いつもソロで回っていると、幸福な雰囲気に満ち溢れた池ノ原周辺を通過するときに若干物悲しい感じがしなくも無いので、最近行ってなかった。


吾妻山を下り、大膳原を通って、再び烏帽子山を登って行く。烏帽子山に着くと、右に折れ、比婆山に向う。少し下った後に、比婆山に向う登りも、ぶなの巨木、巨岩群が有って、気持ち良い木漏れ日の下、歩みを進める。


比婆山に着くと、山頂付近は若干ぬかるんでいるので、極力固めな地面を選んで進む。体調が悪ければ、少し下りかけた所で、左に折れて、公園センターに通じるルートもある。ここから越原越への下りは、地面に激しく根が張っていたり、所々木段が有ったり、岩が突き出ていたりする変化に富んだ地面が続いている。既に足が疲れている時は辛いのだが、調子の良い時は、とてもテクニカルで楽しい下りが続くことになる。


注意すべきなのは、雨の日、特に雨の降り始め。 不注意に木の根や木段を踏んでしまうと、激しく足払いされた様な転び方をするので、手を激しく打付けたりし勝ち。私は、昨年11月、若干みぞれっぽい冷たい雨がその辺りで降り始めてしまって、不注意にも激しく転んで、5分ぐらい横になっていた事がある(負傷は無かったが)。さらに、その日、FootPodを木の根にぶつけて潰し、水が浸入して壊してしまった。


下りきった所に、越原越(おっぱらこえ)の看板があって、通常ルートは右に折れて上って行き、初夏・夏・秋までお花畑となっている池ノ段に通じる。 この、越原越のルートは、結構根が激しく張っているので、この時点で足裏が痛くなっていたりしたら、余計に足裏が痛くなるので、右に折れずに千引岩に通じるルートを行っても良い。心地良いぶなの林の中、なだらかなトラバースルートを進んでいく。地面は、比較的柔らかいが、若干岩が多い。


池ノ段へ登りきると、木は無く、平らな大地になっている。初夏以降は沢山の蝶たちが舞い飛び、リンドウ、深山トリカブト、イブキトラノオ等が咲く。ハイカーの人々の多くが、ここで休憩・食事をしている。

池ノ段を下り、真直ぐ再び登ると立烏帽子山(1299m。この山々では一番高い)。体調が悪ければ、立烏帽子山には登らず、右に折れて下れば、立烏帽子駐車場に着く。 ここには、綺麗なトイレ、水場、小屋が有る。立烏帽子山の登りは、緩やかな岩場の登り。登りきって、立烏帽子駐車場側に下るルートは、比較的急な岩場が続く。普通には歩けるが、両手を突いて、転げ落ちない様に注意して下らなければならないくだりが何箇所か有る。そこを通過すると、比較的なだらかなつづら折れの下りが駐車場まで続く。


通常のルートだと、笹の尾根を経由して公園センターへ下っていく。(たまたま、笹の尾根を自分は通っていなかったので分からない。以前、笹の尾根の有る山で、笹の下の棘で膝下を赤剥けに擦りむいて痛い目に有ったので、無意識に避けていたのかも知れない。。。)


体調が良い場合は、竜王山に向って、なだらかな登りを進む。竜王山の頂上は、木が無く、見晴らしの良い原っぱになっている。この山々を縦走する人々の間では、牛曳山から、吾妻山を経由し、竜王山まで登ることを、九座縦走と呼んでいる様である。

竜王山に着いて、体調が良い時は、熊野神社に向って、2.6kmひたすら、つずら折りの下りを下っていく。(九座縦走には、熊野神社行きは含まれない。)

木の根が張っている場所、岩場でごつごつしている場所、若干落ち葉が積もっている場所などが有って、足裏や膝の痛みなどがなければ気持ち良く走り下っていける。


下りきると、熊野神社裏手の杉の巨木に沿って少し下り、熊野神社に着く。清めの水、トイレが有る。清めの水は、観光客向けにポンプで汲み上げているためか、平日に行くと水は止まっている。神社の社の裏手には、ご神水というのだったか、湧き水が有る。神社表で御参りしてから、その水を頂いている。

さらに下っていくと、広島県第二位の樹齢らしい、杉の巨木が有り、本当は入り口の、竜王山登山口の大鳥居がある。そこを出て、右に行くと、駐車場とトイレが有る。水も有るが、ポンプで汲み上げる様になっていて、コンセントが抜かれている場合が前にあった。入れたらポンプが動いて水が出た。


熊野神社で一息着いたら、一息で下ってきてしまった、比較的急な竜王山の登りを再び登って行く。私には、けっこうきつい登りを、ひたすら膝上を手押ししつつ登って行く。所々走れる場所も有るが、特にファンランで来ている時は、足が痙攣するだけだろうから、ここは無理して走って登ったりはしない。


竜王山まで登りきると、あとはずっと緩やかな下りが続く。立烏帽子駐車場に着いたら、、通常ルートでは、右の方へ行く笹の尾根経由で公園センターまで下っていくらしい。

私の場合は、駐車場の奥、進行方向右奥の、越原越方面のブナ林を経由するトラバースルートを通る。ここの緩やかなアップダウンの有るブナの純林のルートを通るのがとても気に入っている。途中に千引岩という、多分10トンぐらいは有るのでは無いかと思われる巨岩に挟まれた通路が有り、太古の昔から人々が通って来たのであろうその場所を通る時には何となしに神妙な気持ちになる。それは私だけかと思うが、何となしに手を合わせて一礼してからその場所を通過していく。

千引岩を通過した後は、越原越で公園センター側に下っていくと、短い距離ブナの林を抜けて、砂利にけっこう岩が落ちていて、中央に草と芝が生えている下りの林道が2km少々続く。

越原越で下らずに、途中まで比婆山に向って登って行くと、下山路分岐(1200m)が有って、右下に公園センターへ戻るルートが有る。このルートの方が、ブナの純林の中を抜ける距離が長いので、ブナの林をより堪能したい場合はお勧め。

ただし、途中でスキー場経由左という看板が有ってスキー場だから気持ちの良いなだらかなスラロームを下っていくイメージでそちらに行ってしまうと、なだらかだが、硬い砂利道が続くので、足裏にダメージが有る場合にそこを通ると余計に足裏が痛くなる場合が私は有った。

また、ブナの林は、途中で植林された桧の林になる。(林業が盛んで、ぶなの純林として保護される前に伐採されて、桧に変えられたという事だろう。)その辺りから、確か地面が粘土質になっていて、気付かずにそのまま下ってしまうと思い切り転ぶので要注意。( 何かで読んだ気がするが、杉は山側の若干乾いた土地、桧は谷側の湿った土地に向いていて、区別して植林されるのだったのでは無いだろうか。 )